

ファクタリングの仕組み
確定債権ファクタリングとは?費用と利用前の確認ポイント
納品やサービスの提供は済んでいるのに、代金が入るのは来月。確定債権ファクタリングは、こうした入金待ちの売掛金のうち、金額と支払期日が決まったものを売り、費用を引いた代金を期日前に受け取る方法です。
自社の売掛金が対象か、費用を引いて必要額が残るか、支払日に間に合うか。翌月の支払いへの影響まで、計算例で順に確認します。
この記事の目次
自社の売掛金は対象になるか
納品・サービスの提供が済み、金額と支払期日が決まっているか
この記事で扱うのは、納品やサービスの提供が済み、金額と支払期日が決まった売掛金です。例えば、納品後に取引先と「100万円、来月末払い」で合意している売掛金が当てはまります。
仕組みの出典:金融庁|確認日:2026年10月13日
請求書があるだけでは判断できない
| 自社の状況 | 最初の判断 |
|---|---|
| 納品・サービスの提供が済み、金額と支払日が決まっている | 各社の対象条件と費用を確認する |
| 受注しただけ、納品前、金額が未確定 | この記事の対象外。先に取引内容を整理する |
| 自社へ届いた仕入れや家賃の請求書しかない | 自社が受け取る売上ではないため、この方法では利用できない |
| 取引先の支払いがすでに遅れている | 通常の入金待ちと分けて確認する。QuQuMo・ペイトナーの案内では期限経過の請求書は対象外 |
請求書があっても、取引内容などの審査があります。
費用を引いて、いくら受け取れるか
手数料率より、口座に入る金額を確認する
手数料率とあわせて、口座に入って実際に使える金額を比べましょう。 次は、売上100万円を買い取ってもらう場合の仮の計算です。特定社の見積もりや相場ではありません。
| 計算するもの | 金額 |
|---|---|
| 売る売上の金額 | 100万円 |
| 買取手数料(仮に10%) | −10万円 |
| その他の費用(なしと仮定) | 0円 |
| 今回受け取る金額 | 90万円 |
必要額と受取額を比べる
90万円が必要なら、この仮定では足ります。95万円が必要なら5万円不足します。見積もりでは、差し引かれる費用に加えて、別に払う費用がないかも確認しましょう。
広告の最低手数料率だけで判断せず、自社の見積もりで総費用を確認してください。申込める金額と、費用を引いて受け取れる金額も異なります。

必要な支払日までに受け取れるか
「最短」の表示と、自社の入金見込みを分ける
「最短即日」の表示だけで支払いに間に合うとは決められません。 各社へ必要な日付・時刻を伝え、書類の提出から審査、契約、振込までの見込みを確認します。
金額・日時・提出できる書類を伝える
○月○日○時までに、費用を引いた金額で○万円必要です。請求書と必要書類は○時までに提出できます。審査と契約を含めて間に合う見込みでしょうか。追加書類が必要な場合の扱いも教えてください。
必要書類の不足や営業時間外の申込みで、入金が後になる場合があります。追加確認も含めて、いつ口座に入る見込みかを尋ねてください。
入金条件の出典:QuQuMo/ペイトナー|確認日:2026年10月13日
追加確認などで入金が支払日に間に合うか分からないときは、支払先にも期限を延ばせるか相談しましょう。まだ入っていないお金を、確実に支払えるお金として数えないようにしてください。
利用後のお金の流れと、翌月の支払い
先に受け取った売掛金を、もう一度使う計画にしない
自社が取引先から代金を回収し、買取会社へ送る契約の説明用の仮定例です。送金額・期限・方法は契約で確認してください。
100万円の売掛金を売却して90万円を受け取り、今月の仕入れ代金90万円を支払う例です。受取額は費用の計算例と同じ90万円とします。
- 10月5日
納品完了。100万円を11月30日に受け取る予定
金額と支払期日、納品・サービス提供の完了を確認
- 10月19日
100万円分を売り、手数料10万円・その他費用なしを引いて90万円受領
入金日に間に合うか、全費用と実際の受取額を確認
- 10月20日
仕入代金90万円を支払い、残額は0円
ほかの今月の支払いを含めて不足しないか
- 11月30日
取引先から100万円を回収
契約の金額・期限に従って送金する資金として確保
- 契約の送金期限
仮に100万円を買取会社へ送る
この100万円を給与や家賃へ再び使う計画にしない
売却分を除いて、翌月の支払いに足りるか
11月の給与・家賃・仕入れが合計80万円なら、買い取ってもらった売上以外に80万円を用意できるかを確認します。この例では今月の受取額をすべて仕入れに使うため、翌月の支払い80万円を別に用意する必要があります。ほかの売上・預金・支払い予定を資金繰り表へ入れ、利用後の不足が解消するか判断してください。
足りない場合は、利用額や費用を見直し、取引金融機関や顧問税理士へ相談しましょう。高額な手数料で資金繰りが悪化するおそれもあります。
出典:金融庁の注意喚起|確認日:2026年10月13日

取引先への連絡と、契約上の責任を確認する
取引先への通知・承諾と、その例外を確認する
取引先へ連絡されるかと、取引先が払わない場合に誰が負担するかは、それぞれ確認してください。 自社と買取会社で契約する「2社間」と、取引先も関わる「3社間」があり、取引先への通知・承諾の扱いが違います。アクティブサポート公式Q&A
「取引先への通知なし」と案内されていても、支払遅延などの場合に連絡する条件がないか確認してください。
通知の例外の出典:ペイトナー公式FAQ|確認日:2026年10月13日
取引先の不払いと、自社の契約違反を分ける
取引先が倒産するなどして払えないときに、誰が負担するかも重要です。契約前に、以下の3つを分けて尋ねましょう。
- 取引先が払えなくなった場合、自社が代わりに払う義務はあるか。
- 自社が受け取った売上を送らない場合、どのような責任があるか。
- 事実と違う申告や、同じ売上を二重に売る行為は、契約上どう扱われるか。
「償還請求権なし」「ノンリコース」は、取引先が支払えなくなったとき、利用者へ支払いを求めないという意味です。ただし、自社が契約に違反した場合まで、責任がなくなるという意味ではありません。実際の契約で確認してください。
回収できなければ買い戻す、自社の資金で必ず払う、といった条件には注意が必要です。金融庁は、契約の名前だけでなく実態によって貸付けに当たる場合があると説明しています。不安な条件は署名を急がず、弁護士などへ確認してください。金融庁の契約に関する注意点
相談前に整理する5つの項目
見積もりを相談する前に、経理担当者と次の5項目を整理しましょう。
必要書類は会社によって異なります。整理した情報をもとに、申込先が求める書類・名義・提出方法を確認してください。
まとめ
対象の売掛金、費用を引いた受取額、入金見込みを確認し、回収後の送金と翌月の支払いまで含めて判断しましょう。
- 納品・サービス提供、金額、支払期日を確認する
- 総費用と入金までの手続きを確かめる
- 回収後の送金と翌月の支払いを予定に入れる
対象の売掛金がない場合や、利用しても資金不足が続く場合は、申込みを急がず、取引金融機関や顧問税理士に入出金予定を示して相談してください。契約に不明な義務や不審な要求があれば、同意する前に法律の専門家へ確認しましょう。
契約や不審な勧誘の相談窓口:金融庁 金融サービス利用者相談室

